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ウクライナ「復興協力を」 広島でシンポジウム 侵攻受けた市長ら訴え

 広島の復興をテーマにした世界銀行と広島市のシンポジウムが15日、中区の広島国際会議場であった。ウクライナ南部ミコライウ市のオレクサンドル・シンケビチ市長がロシアの侵攻で街が破壊された現状を紹介し、「広島市にも復興計画に協力してほしい」と訴えた。

 約500人の来場者を前に5人が討論した。シンケビチ市長は水道が破壊され、川の水をくみ上げている戦時下の状況に触れ、復興への支援を要請。また、核使用を示唆するプーチン大統領を名指しして「原爆資料館を見学し、核兵器の使用が何をもたらすのか直視すべきだ」と迫った。一方、広島市の前(すすめ)健一副市長は「国際平和文化都市」の実現に向けたまちづくりを説明した。

 討論に先立ち、ウクライナ政府のアナ・ユルチェンコ副大臣が基調講演。広島は復興と繁栄の象徴として「私たちもより良く社会を再建できると信じている」と述べた。広島の復興の歩みを映像で振り返る場面もあった。

 シンポを前に、広島市と世銀は13日にパートナーシップを締結。同日から東欧や中央アジア8カ国の政府・自治体職員を市に招き、都市の発展を学ぶ研修を開いている。(宮野史康)

(2023年3月16日朝刊掲載)

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