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[広島サミット5・19~21] 被爆証言の熱情 物語る 広島で児玉光雄さん企画展

英文原稿や診断記録

 12歳で被爆し、がんを繰り返しながら国内外で証言活動を続けた児玉光雄さん(2020年に88歳で死去)の半生を紹介する企画展「被爆者を生き抜く」が広島市南区の広島大医学部医学資料館で開かれている。5月に市内である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向けて生前の核兵器廃絶の訴えを伝える。5月26日まで。無料。

 児玉さんは広島一中(現国泰寺高、中区)1年の時に爆心地から約870メートルの校舎で被爆した。企画展では、南区の自宅に残されていた証言原稿や病気の記録など約100点の資料を展示。被爆から間もない時期のクラス写真や犠牲となった同級生の遺族の手記も並べ、学友への思いが証言活動の原点にあったことを紹介している。

 また、60歳を過ぎて皮膚や胃などにがんが相次ぎ見つかった時期の診断記録の一部も公開。亡くなる4年前に米国で証言した際の英文原稿も展示し、生涯続く被爆者の健康被害や証言への熱意を伝えている。

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)が昨年12月、妻淑子さん(85)=南区=から遺品の寄託を受けたのを機に企画。久保田明子助教は「核兵器を二度と使ってはいけないという児玉さんの思いを資料から感じてほしい」と話している。平日午前10時~午後4時。サミットまでに英文の解説資料も作る。原医研付属被ばく資料調査解析部☎082(257)5877。(編集委員・水川恭輔)

(2023年3月17日朝刊掲載)

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