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大和の主砲台座 製造工場を公開 呉 市民ら学芸員と見学

 戦艦大和や武蔵の主砲の台座を組み立てた旧海軍ゆかりの設備が残る、呉市昭和町の三菱重工業呉第二工場で19日、市民向けツアーがあった。旧海軍が1938年に整備した呉海軍工廠砲熕(こうしょうほうこう)部だった施設を学芸員たちと巡った。

 ツアーは4回に分けて開催。参加者は大和ミュージアム(呉市)の花岡拓郎学芸員から、「工場は大和を造るために設計された。その巨大さが戦後のものづくりにも応用できた」と説明を受け、台座を組み立てた円筒形のピットを見学。海底よりも低い岩盤を削って造られた直径18メートル、深さ21メートルの空間を間近で体感した。大和と武蔵の建造方法の違いなども学んだ。

 工場内は写真撮影ができなかったが、三重県の会社員山中奈緒さん(24)は「ずっと見てみたいと思っていた。貴重な機会なので、しっかりと目に焼き付けた」と話していた。

 2021年にNHKテレビ「ブラタモリ」で紹介され、反響が大きかったことから、同社と同ミュージアムがツアーを初めて企画。定員120人に対して全国から1615人の応募があった。同ミュージアム学芸課の兼光賢課長は「注目度の高さを感じた。今後も開催できるか検討したい」と話した。(仁科裕成)

(2023年3月20日朝刊掲載)

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