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[広島サミット5・19~21] あと2ヵ月 生活どうなる 期間前後の規制 現時点の情報は

 広島市で5月19~21日にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、19日で開幕まで2カ月となった。主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)一帯を中心に市内外でさまざまな規制が見込まれる中、市民生活にどんな影響が出るのか。現時点での情報や検討状況をまとめた。

道路通行止め 運転自粛を要請

 広島県警は5月18~22日の5日間、山陽自動車道などの高速道や広島市中心部などの一般道で大規模な交通規制をする。高速道について今月下旬、一般道について4月下旬をめどに推奨する迂回(うかい)路などを示す方針。ホームページや交流サイト(SNS)などを使って周知し、規制当日はリアルタイムで通行止めの開始や解除を伝える。

 現時点で想定される主な規制区間は山陽道本郷インターチェンジ(IC)―玖珂IC間▽広島自動車道広島ジャンクション(JCT)―広島西風新都IC間▽広島高速1~3号の全線▽広島呉道路仁保JCT―坂南IC間▽海田大橋。県警は首脳の移動に合わせて通行止めとする。県警や県、市の「交通総量抑制対策推進会議」は規制5日間の交通総量を50%削減する目標を設定。マイカー利用の自粛などを呼びかける。

路面電車・バス 発表を待ち検討

 路面電車と路線バスを運行する広島電鉄(中区)は具体的な規制状況が分かり次第、詳細な運行計画を立てる。広島バス(同)は「規制の場所や時間は読み切れないが、便数などの調整をした上での運行を考えている」と説明する。

 広島湾では主会場周辺が航行自粛海域に設定された。広島港宇品旅客ターミナル(南区)を発着する定期旅客船には海上保安官が乗船して警戒する。定期航路を持つ瀬戸内海汽船(同)は現状では通常運航する予定。「生活航路もある。安全を最優先に、通常運航を考えている」としている。

スーパー「来店できる?」

 交通規制に伴い、物流や買い物客の移動は制限される。スーパーや宅配事業を手がける生協ひろしま(廿日市市)は今月、対策会議を設けた。期間中も宅配するのを前提に、主会場近くの配送体制などについて協議している。地場流通大手のイズミ(東区)は「何らかの対応が必要になる。行政の方針に沿って判断したい」と説明する。

 主会場に近い店舗からは困惑の声が漏れる。あるスーパーの幹部は「客が店に来られなくなるのではないか」と不安を抱く。従業員が普段通り出勤できるのかも見通せないという。酒類販売の酒商山田(南区)の山田淳仁社長はサミット期間中に宇品本店を閉めるかどうか悩んでいる。「来店客に告知するため、規制の情報を早く知りたい」と気をもむ。

周辺の公共施設 利用停止や休館

 広島サミットで国内外の報道機関の取材拠点「国際メディアセンター」になる県立総合体育館(中区)は4月4日から大・小アリーナや武道館を利用停止にする。フィットネスプラザと駐車場は5月1日からで、いずれも同31日まで。

 県立広島産業会館(南区)も4月1日~6月8日、サミットの関係団体が利用するため東展示館と東駐車場を臨時休館。県庁(中区)の第1駐車場(94台)はサミット関係車両の駐車のため、5月23日までの予定で閉鎖している。

 首脳が訪れる可能性が高い原爆資料館(中区)は、サミット期間中や前後の開館時間が未定。市の担当者は「平和記念公園全体の市民の立ち入りも含めて、ぎりぎりまで決まらないのではないか」とする。

 県庁や市役所、各区役所は通常通り開く。

公立校の大半 対応決まらず

 広島市南区の市立広島特別支援学校は5月19日の休校を決めた。主会場に近く、児童や生徒の多くが通学バスを利用しているため、交通規制の影響を考慮したという。一方、他の市立学校や県立高校の対応はまだ決まっていない。県教委高校教育指導課は「公共交通機関で通学する県立高の生徒に影響が出ると思われるが具体的な対応策は検討中」と説明している。

(2023年3月19日朝刊掲載)

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