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ハワイの小中高生 9月に広島公演 禎子さんの生涯描くミュージカル コロナ禍越えた情熱 「架け橋に」

 米ハワイ州ホノルル市を拠点とする小中高生たちのミュージカルグループ「オハナアーツ」が9月、「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの生涯を描くミュージカルを広島市で上演する。新型コロナウイルス禍での延期を経て、念願の広島公演を果たす。

 タイトルは「Peace On Your Wings 平和は翼に乗って」。禎子さんが白血病と闘いながら病床で作った折り鶴が2013年、ハワイの真珠湾にあるアリゾナ記念館に寄贈されたのをきっかけに創作したオリジナルミュージカルだ。15年のハワイ初演が評判を呼び、ロサンゼルスやニューヨークなど米国各地で上演を重ねてきた。広島公演には小中高生24人が出演する。

 元々は3年前の被爆75年に広島公演を予定していたが、新型コロナの感染拡大で断念。資金集めも難しい状況に陥ったが、「ハワイの子どもを広島に連れていきたい」というオハナアーツ創業者の一人、ジェニー・タイラさん(日系4世、祖先は広島出身)たちの情熱が、ホノルルと広島の両市民と政財界を動かした。

 実行委員会委員長の黒瀬真一郎・広島YMCA名誉理事長は「ハワイと広島の架け橋となる素晴らしいミュージカル」と期待を込める。9月2、3日の両日、中区のJMSアステールプラザで計3回の公演を予定する。英語で上演し、日本語の字幕を舞台上に表示する。チケットは3千円で、6月に発売予定。実行委☎090(4690)7059。(西村文)

(2023年3月18日朝刊掲載)

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