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戦中女学生の不安と希望 海田高創立80周年記念 演劇部21日公演

学徒動員・なぎなた練習 1期生の体験盛る

 海田高(海田町)の演劇部は21日、学校創立80周年を記念した創作劇を織田幹雄スクエア(同)で披露する。戦中の1942年に海田高等女学校として発足した頃の生徒の日々の暮らしを描く内容。部員は本番に向けてけいこを重ねている。(二井理江)

 劇のタイトルは、校訓にちなむ「己を見つめ 他を敬い 共に歩む~海田県女1期生のはなし」。東洋工業(現マツダ)に学徒動員されたり、戦時中に学校で打ち込んでいたなぎなたの練習が戦後は廃止されたりした歴史を通し、不安や希望を胸に懸命に生きた生徒の姿を表現している。

 創立50周年記念誌の内容などを基に、顧問の安田恵國(よしくに)教諭(34)が台本を作った。演劇部員は2022年7月に動員先の東洋工業で原爆を体験した1期生の川本フジ子さん(93)=呉市=に話を聞き、時代背景などを頭に入れて準備。現在は「目線を高く」などと声をかけ合って毎日けいこしている。

 開演は午後1時半で無料。多くの卒業生が来場する見通し。舞台監督で初代校長役を務める1年岸本雪伽(せつか)さん(16)は「時代に翻弄(ほんろう)されながらも、諦めずに立ち向かっていった姿を描きたい」と話している。

(2023年3月18日朝刊掲載)

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