×

連載・特集

@ひろしまサミットまで 59日 ふりかけ

 田中食品(広島市西区)のふりかけ「旅行の友」は、大正初期に「海軍御用達」の商品として誕生しました。呉市で漬物などを売る個人商店だった当時、旧海軍から要請を受け、軍艦に積み込む保存食として開発しました。魚粉を原料にしたふりかけは栄養補給の役目もあり、呉海軍工廠(こうしょう)で建造された戦艦大和の艦内でも乗組員が食べていたそうです。

 一般向けには、1916(大正5)年に販売を始めました。28年に東観音町(現西区)へ移転した工場は、45年に原爆で焼失。当時の田中トモ社長も原爆で命を落としました。その後、旅行の友の製造を再開。現在、田中食品のふりかけは約250種類に広がっています。(森岡恭子)

(2023年3月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ