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原発推進派8人当選 上関町議選 反対派は2人

 山口県上関町議選(定数10)は16日投開票され、新議員10人が決まった。中国電力が同町で進める上関原発建設計画が浮上してから8回目の改選。原発推進派8人、反対派2人が当選した。

 推進派は現職7人、新人1人。反対派が現職1人、元職1人。全員が無所属。今回から定数が2減って10となり、両派が1議席ずつ減らす格好となった。

 1982年に原発誘致計画が表面化して以降の選挙戦では、推進派がいずれも過半数を確保した。

 今回は、推進派9人、反対派4人の計13人が立候補。反対派は「原発に頼らないまちづくり」を強調し、推進派は、原発計画が不透明な現状を踏まえ、自主財源でできる訴えに絞った動きが目立った。

 当日有権者数は2992人。投票率は過去最低の86・03%(前回90・24%)だった。(井上龍太郎)

上関町議選 推進派「原発 町民の望み」 反対派「関心高められた」

 「原発は確かに遠のいた。それでも町民が望んでいることを選挙結果が示した」。中国電力上関原発建設計画の是非を争点にした上関町議選(定数10)。16日の開票で当選を決めた推進派議員はこう強調した。新しい議席は推進派8人、反対派2人。反対派も「結果以上に脱原発への関心を高められた」と手応えを口にした。(井上龍太郎、久行大輝)

 原発計画が不透明な中で迎えた今回。推進派の多くは原発を前面に出さず、自主財源だけでできる振興策に主張の軸足をずらした。「原発交付金は当面頼れない。厳しい4年になると覚悟している」と当選した西哲夫さん(66)。喜びの半面、不安も口にした。

 反対派は、計画撤回を前提にしたまちづくり策を訴えたが、立候補者4人中2人の当選にとどまった。それでも、返り咲きを果たした元職の山戸貞夫さん(63)は「第6次産業化支援などの訴えが祝島だけでなく町全域に浸透した」と力説した。

 柏原重海町長は町役場で会見。「今までと何も変わりない。原子力について国の方針が見えない状況。議会と力を合わせまちづくりを進めたい」とした。

上関町議選最終結果(定数10-候補数13、敬称略)

当301 西哲夫    66 無現
当268 山谷良数   62 無現
当261 清水敏保   59 無現
当235 山戸貞夫   63 無元
当229 右田勝    72 無現
当214 嶋尾忠宏   47 無現
当203 岩木和美   54 無現
当191 河村満生   66 無現
当183 海下竜一郎 49 無現
当155 山村泰志   64 無新
  149 田中照久   41 共新
  137 三舟晴美   53 無新
   33 田中早知   74 無元

上関町議選当選者

丸数字は当選回数。写真の下は、現職(主な経歴)▽現住所。敬称略

西哲夫(にし・てつお) 66 無現⑥
無職(副議長、町体育協会長、町消防団長)室津

山谷良数(やまたに・よしかず) 62 無現⑧
漁業(議長、全国離島振興市町村議長会副会長)長島

清水敏保(しみず・としやす) 59 無現⑥
運送業(反原発団体代表、議会運営副委員長)祝島

山戸貞夫(やまと・さだお) 63 無元⑤
法人代表(反原発団体代表、漁協組合長)祝島

右田勝(みぎた・かつ) 72 無現⑧
会社役員(町商工会長、光熊毛郡法人会支部長)長島

嶋尾忠宏(しまお・ただひろ) 47 無現②
飲食店経営(町観光協会長、ホテル料理長)長島

岩木和美(いわき・かずみ) 54 無現④
無職(保護司、県漁協支店女性部長、養護教諭)長島

河村満生(かわむら・みつお) 66 無現②
無職(町職員、町議会総務文教副委員長)室津

海下竜一郎(かいした・りゅういちろう) 49 無現②
漁業(県漁協青壮年部連副会長、中学育友会長)長島

山村泰志(やまむら・やすし) 64 無新①
社会福祉法人役員(町職員、小学校PTA会長)長島

(2014年2月17日朝刊掲載)

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