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中国人留学生の被爆学ぶ 中区 「碑を考える会」初開催

 広島で被爆した中国大陸や台湾出身の人々の足跡を調べている市民グループが21日、広島市中区の原爆資料館で初の学習会を開いた。共同代表を務める楠本昭夫さん(63)=廿日市市=が、中国の留学生たちの被爆の状況について説明。平和記念公園(中区)や周辺への慰霊碑や説明板の設置を目指し、活動を進めていくことを確認した。

 平和記念公園のボランティアガイドたちを中心に昨年12月に発足した「『中国人』被爆者の碑を考える会」。楠本さんは会員たち約20人を前に、広島大の前身の文理科大と高等師範学校に留学していた中国大陸出身の男女12人が被爆し、うち6人が亡くなったことを紹介。一人一人の被爆時の状況、助かった人の戦後の歩みについて文献の記述などを基に語った。

 安野発電所(安芸太田町)の建設工事で強制労働をさせられた中国人たちにも言及。「来日せざるを得なかった状況で被爆した人もいる。事実を掘り起こしたい」と訴えた。

 今後は歴史の調査を進め、碑を設置する候補地などを検討する。もう一人の共同代表の多賀俊介さん(73)=西区=は「中国人たちの被爆の実情に関心を持つ人を増やしたい」と話している。(村上和生)

(2023年3月22日朝刊掲載)

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