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@ひろしまサミットまで 57日 針

 手縫い用の針は広島県が全国一の産地です。県針工業協同組合(広島市中区)によると、縫い針、待ち針の国内シェアは9割以上。源流は江戸時代の武士の内職にさかのぼるとされます。

 1918年創業の萬国製針(西区)などによると、明治時代に広島の業者がドイツ製の機械を導入し、量産に成功して一大産地になりました。第1次世界大戦時に針を作れなくなった欧州に代わって輸出を伸ばし、ピーク時は県内に200社近くあったそうです。

 近年は家庭で服を繕う機会が減り、針の需要は減っています。国内有数の老舗の萬国製針は、自社ブランドの裁縫道具のセットを広島土産として発売するなど、歴史を紡いでいます。(服部良祐)

(2023年3月23日朝刊掲載)

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