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基地用地返還 国に要求 岩国市議会が意見書案可決

 岩国市議会は23日、米軍岩国基地の西南端約5ヘクタールを巡り、米軍に土地を提供している国に対し、土地の市への返還を求める意見書案を全会一致で可決した。この土地は戦中に市が都市計画決定した道路のルートと重なる。市が国防に果たしている役割を強調した上で、戦中からの道路計画の実現を訴えている。

 JR岩国駅東側と市南部を結ぶ都市計画道路・昭和町藤生線(約7・6キロ)は市が1940年に都市計画決定。戦後、予定地の一部が米軍基地となった。46年から2008年にかけ、起点の昭和町3丁目から基地正門前までの約3キロが開通した。残る未整備の約4・6キロのうち、350メートル区間が基地西南端の5ヘクタールを通る計画となっている。

 意見書は「基地への立ち入りができず道路の完成時期が未定となっている」と強調。並走する国道188号を補完し、基地周辺の渋滞緩和や緊急時の円滑な避難につながるとして「日本の安全保障体制に市が果たしている役割を十分に賢察してほしい」と求める。

 提出者の市議の一人は「国際情勢を受けて岩国基地は運用が活発化している。騒音などの負担を受けている住民のためにも早く完成させたい」と話している。(有岡英俊)

(2023年3月24日朝刊掲載)

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