×

ニュース

[広島サミット5・19~21] G7契機に和平交渉を 国内外シンクタンク提案

 民間シンクタンク「言論NPO」(東京)は24日、広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)への共同提案を岸田文雄首相に提出した。ロシアによるウクライナ侵攻の終結を「最優先課題」と位置付け、両国の和平交渉を関係各国が促すよう求めた。

 G7各国にインド、シンガポール、ブラジルを加えた10カ国のシンクタンク代表たちを都内に招いて22日から意見交換を重ね、5項目にまとめた。この日は言論NPOの工藤泰志代表が、会場を訪れた首相に提案書を渡した。首相は広島サミットへの決意に触れ「解決できていない地球規模の課題について議論を深め、国際社会と連携する姿勢を示す」と述べた。

 提案ではロシアとウクライナが話し合いの場につける環境づくりをG7が主導するよう主張。気候変動問題への「緊急的対処」や原油の代替資源の開発支援を急ぐ必要性も唱えた。

 これに先立つ元政治家や研究者の討議では、ロシアの核威嚇への危機感を訴える声が相次いだ。アイルランドのメアリー・ロビンソン元大統領は「広島サミットでは核の惨禍を知る議長国日本をG7各国が支え、その脅威を最小化するメッセージを出してほしい」と求めた。(樋口浩二)

(2023年3月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ