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英劣化ウラン弾供与 抗議 広島の被爆者7団体声明 「しゃもじ」に疑問視

 英政府がウクライナに劣化ウラン弾の供与を決定したのを受け、広島の被爆者たちが24日、広島市役所で記者会見を開き、抗議声明を発表した。ウクライナを訪れた岸田文雄首相がゼレンスキー大統領に宮島(廿日市市)特産の「必勝しゃもじ」を贈った判断には疑問を呈した。

 劣化ウラン弾を巡っては、微粒子となったウランが拡散して人体に入り、体内被曝(ひばく)を引き起こすと指摘されている。被爆者7団体の声明では「けん制がエスカレートすれば核戦争へと発展しかねない。断固反対だ」などと訴え、対話による和平を求めた。

 会見で、広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(81)はウクライナ情勢に関し「核兵器を本当に使うのではとの雰囲気を感じる」と懸念。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(78)も「英国の行為は許されない」と非難した。

 また、2人は岸田首相の必勝しゃもじ贈呈にも言及。箕牧理事長は「甲子園出場など、めでたい時の励ましで持って行く物。戦場に持参し、がんばれよ、勝てよというのは目的が違う。滑稽さを感じる」と指摘。佐久間理事長も「政府はロシアの撤退を求めてきたはずで必勝というのは違う。非常に残念だ」と批判した。(小林可奈)

(2023年3月25日朝刊掲載)

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