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[2023統一選] どうする広島市政 主な立候補予定者 公約比較

松井氏 大型事業 周辺部にも

高見氏 福祉や文化振興予算

 統一地方選前半の広島市長選(26日告示、4月9日投開票)の主な立候補予定者の公約が出そろった。118万人都市の将来をどう描くのか。無所属現職の松井一実氏(70)と共産党新人の高見篤己氏(70)を中心に、まちづくり、暮らし、平和発信の訴えをみた。(野平慧一、川上裕)

■まちづくり

 松井氏は、都心で進む大型事業を商工センター地区(西区)など周辺部にも広げるのが柱。国際会議などの「MICE(マイス)」施設の整備や草津港の観光港化、市中央卸売市場中央市場の再整備を掲げ、流通や商業機能の強化を目指すとしている。

 高見氏は、JR広島駅(南区)一帯の再整備などの大型開発ではなく、福祉や文化振興に予算を振り向けると主張する。市立中央図書館(中区)を広島駅前の商業施設エールエールA館に移転する市の計画を見直し、現在地建て替えも含めて再検討する立場だ。

■暮らし

 松井氏は、地域共生社会の実現を目指し、行政と関係機関の連携強化を図る。地域の困り事に対応するため、地区社会福祉協議会や地域包括支援センターに専門員を配置。大人に代わり日常的に家事や家族の世話をするヤングケアラーの支援体制の構築も進める。

 高見氏は、子育て支援策で「三つのゼロ」を打ち出す。学校給食費と高校卒業までの子どもの医療費、放課後児童クラブ(学童保育)の利用料をいずれも無料にする考え。国民健康保険料の引き下げ、物価高に苦しむ中小企業への支援拡充もアピールする。

■平和

 松井氏は平和文化の普及を重視する。音楽ホールの整備を視野に入れ、「平和の夕べコンサート」などの開催を検討。比治山公園(南区)にある放射線影響研究所の移転を機に、一帯を「平和の丘」として整備する構想を加速させる。

 高見氏は、核兵器禁止条約への署名・批准を日本政府に強く求める。現政権を「戦争する国づくりに奔走している」と批判。2月に海上自衛隊と米海軍が初めて実施した広島湾での共同訓練に、市長として抗議すると強調する。

 このほか、無所属新人の大山宏氏(74)は核兵器廃絶などを訴えている。

(2023年3月25日朝刊掲載)

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