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「願いでは国動かぬ」 島根知事 脱原発 難しさ強調 県議会

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)が立地する島根県の溝口善兵衛知事は20日の県議会本会議で、脱原発を求める世論が多いとの指摘に対し「願いだけでは国は動かない」と答弁した。原発政策における政府の責任を強調した上で、原発依存度を減らす道筋を政府が示さない中での脱原発は現実的でないとの姿勢を示した。

 溝口知事は福島第1原発事故以降、原発の稼働について「県民や県議会、専門家の意見をよく聞いて総合的に判断する」と繰り返してきたが、この日は現状での脱原発の難しさに踏み込んだ。一方、既に再稼働手続きに入った島根2号機には「原子力規制委員会に厳格な審査を要請した」と、規制委の厳しいチェックが稼働判断の前提とする従来の考えを強調した。

 尾村利成県議(共産党県議団)の一般質問に答えた。溝口知事は県が脱原発を進めると仮定した場合「(原発依存度を下げる)目標設定やその手段を技術的に検討しないといけない」と指摘。「政府は段階的に依存度を減らすというが、具体的にどうするのか示していない。それが国政の役割だ」と求めた。(樋口浩二)

(2014年2月21日朝刊掲載)

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