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原対協70年 歩みを学ぶ 広島で講演会

 広島原爆障害対策協議会(原対協)の創立70周年記念の講演会が29日、広島市中区の広島国際会議場であった。会場とオンラインで参加した約130人が、被爆者支援のために果たしてきた原対協の歴史を学び、今後の被爆者ケアの課題を考えた。

 広島大の鎌田七男名誉教授は「被爆者の現状と今後のケア」と題して記念講演した。高齢者全体に比べて被爆者は、手厚い介護を必要とする人の割合が高い可能性を指摘。「高齢となった被爆者が、安らかに苦痛なく人生の終焉(しゅうえん)を迎えるため、支えるわれわれの心構えが問われている」と強調した。

 原対協は1953年1月、広島県や広島市、医師会などが「広島市原爆障害者治療対策協議会」として活動を開始。被爆者の健診や援護活動に取り組んできた。記念講演に先立ち、70年の歩みを紹介した原対協健康管理・増進センターの前田亮所長は「被爆者の健診資料や長期ケアに関するデータの蓄積は他に類を見ない」とし、今後に生かしていく大切さを説いた。

(2023年3月30日朝刊掲載)

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