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広島市中央図書館の移転計画 環境への要望や見直しの声 南区での説明会に170人

 広島市が市立中央図書館(中区)を移転するJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)で開いた市民向け説明会に約170人が訪れた。新たな図書館の機能や配置について注文する市民がいた一方、移転の見直しを求める意見もあった。

 A館7階に会場を設け、市民が自由に出入りできる「オープンハウス型」で26、27日に開催。市職員が常駐し、移転先の8~10階の平面レイアウト図を基に質問に応じた。来場者は、自習室の座席の増設や車椅子が利用しやすい環境を要望。片や「平和発信拠点として弱い」として現在地での建て替えを求める声もあった。

 会場を訪れた大学非常勤講師の西河内靖泰さん(69)=南区=は「事務所が広く、全体的に古い図書館のイメージ。もっと効率的な空間の使い方ができる」と助言。移転に反対する市民団体「広島文学資料保全の会」の土屋時子代表(74)=中区=は「今後、貴重な資料は増えていくと予想される。今のままだと書庫が狭過ぎる」と指摘した。

 市は、来場者にアンケートを実施しており、市議会や有識者の意見とともに図書館の基本設計案に生かす。2023年度中に設計案を作り、26年度のオープンを目指す。(野平慧一)

(2023年3月31日朝刊掲載)

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