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[広島サミット5・19~21] 核被害「繰り返さない」 ジュニア会議終了 成果文書を発表

 5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に若者の視点から国際的課題を話し合う「G7広島サミットジュニア会議」が30日、全日程を終えた。G7各国出身の高校生計24人が広島国際会議場(中区)に集まり、「広島から世界へ」と題した成果文書を英語で発表した。(湯浅梨奈)

 文書は平和▽持続可能性▽多様性-の3テーマから成る。参加者は3日間、被爆証言を聞いたり平和記念公園(中区)をはじめ県内各地を視察したりしながら議論。その上で課題や対策を文章にまとめ、各グループの代表が発表した。

 「平和」については、戦争と核兵器の脅威を指摘し「核被害者について学んで、同じ過ちを繰り返さないよう尽くす」ことを勧告した。「持続可能性」に関しては、交流サイト(SNS)を活用して「環境問題への意識を高めてもらうことに取り組む」よう提言。多様性を広げる上での課題として「ジェンダー」を取り上げ、若者の政治参加による社会変革を訴えた。

 米国出身のエイデン・オライリーさん(16)は「被爆者と会い、原爆被害の悲劇を繰り返させてはいけないと感じた。首脳たちも体験証言を聞き、戦争を防ぐ対策を議論して」と強調した。修道高1年のフィゲロア・ビクトル龍馬さん(16)は「世代を問わず成果文書を読み、一緒に取り組んでほしい」と述べた。

 会議は官民でつくる広島サミット県民会議の主催。成果文書は県民会議のホームページで公表する。

(2023年3月31日朝刊掲載)

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