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連載・特集

@ひろしまサミットまで 46日 峠三吉

 「ちちをかえせ ははをかえせ/としよりをかえせ/こどもをかえせ」。原爆詩人峠三吉(1917~53年)が、51年に発表した「原爆詩集」の「序」です。平和記念公園(広島市中区)内の詩碑に刻まれています。

 爆心地から約3キロの翠町(現南区)で被爆した峠は、実際目にした光景や体験と向き合い、詩を紡ぎました。49年には文学サークル「われらの詩(うた)の会」を結成。厳しい言論統制にあらがいながら、仲間と共に反戦反核を訴え続けました。

 喀血(かっけつ)を繰り返していた峠は、肺葉切除の手術中に息を引き取ります。36歳でした。没後70年を迎えた今年、世代を超えて、峠の遺志を受け継ぐ集いが開かれています。(桑島美帆)

(2023年4月3日朝刊掲載)

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