×

ニュース

竹島交渉の進展を 松江で式典 島根県、政務官に要望

 日韓両国が領有権を主張する島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))をめぐり、県は条例で「竹島の日」と定める22日、記念式典を松江市で開いた。安倍晋三首相の靖国神社参拝などで日韓関係が冷え込む中、県側は外交交渉の進展を政府に要望。国際社会に日本の主張を発信するため、式典を主催するなど積極的に問題解決に乗り出すよう迫った。

 式典は9回目。終了後の会見で溝口善兵衛知事は「政府自身が(式典を)やる局面に入った。国際社会への活動を強化することを期待する」と強調した。

 式典には政務三役が初出席した昨年に続き、政府代表として亀岡偉民内閣府政務官が出席。国会議員全体では昨年より3人少ない17人が参加した。市民も含めた出席者総数は502人。

 溝口知事は、国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴に加え、竹島の日の閣議決定や、日本海上で日韓両国が共同管理する暫定水域の撤廃など7項目を亀岡政務官に要望した。

 一方、韓国側は式典開催に反発。外務省が非難声明を発表した。

 竹島をめぐっては文部科学省が1月、教科書作成の指針となる中学校、高校の学習指導要領解説書を改定。「我が国固有の領土」と明記した。一方で、2012年8月の当時の李明博(イミョンバク)・韓国大統領による竹島上陸を受け、政府が検討に入ったICJへの単独提訴は進展をみせていない。

 竹島は政府が1905年に島根県への編入を閣議決定し、県が同年2月22日に告示した。編入から100年の2005年に県が22日を竹島の日とする条例を制定。06年から毎年、松江市で式典を開いている。(樋口浩二)

竹島
 島根県・隠岐諸島の北西158キロに位置し、東西二つの島と岩礁から成る。総面積は0・21平方キロ。韓国が1954年から警備隊を常駐させ、灯台やヘリポートを建設するなど実効支配を続けている。

(2014年2月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ