×

ニュース

事故から3年 フクシマ継承を 現状や課題 シンポで探る 広島市中区

 福島第1原発事故から来月で3年となるのを前に、被災地の現状や課題を考えるシンポジウムが22日、広島市中区の広島県立美術館であった。市民団体「福島と広島をつなぐ、もみのきの会」(西区)が開き、約80人が参加した。

 福島県南相馬市で保育園の副園長を務める近藤能之さん(47)がパネリストとして出席した。住民や企業と手を携えて取り組んだ園児宅の除染や、屋外に子どもの遊び場をつくる活動を紹介。「行政に依存せず、安心して豊かに生きられる環境をつくり出していきたい」と話した。

 広島市中区の詩人、アーサー・ビナードさん(46)は、子ども・被災者支援法について「政治家も動かず、法が機能していない。フクシマの忘却が進んでいる」と指摘。秋葉忠利前市長(71)は「惨事を繰り返さないためには、定期的に記憶を確かめる営みが大切。ヒロシマにもフクシマにも共通する課題だ」と強調した。(田中美千子)

(2014年2月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ