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呉・阿賀の古文書 冊子に 住民ら読み解く「歴史知って」

 呉市の阿賀地区に残る江戸時代末期の古文書を、住民たちでつくる阿賀歴史文化研究会が読み解き、冊子にまとめた。地域の歴史を知ってほしいと、阿賀まちづくりセンターと市内の7カ所の図書館に配布した。

 読解したのは、広島藩から割庄屋への通達文書の写しである「安政六年(1859年)御用触書(ふれがき)控」など市有形文化財指定の3冊。当時流行したコレラや戊辰戦争、頻繁に来航していた外国船への対応を求めた部分を抽出した。

 コレラによる死者数を調べて迅速に報告するよう求めたり、外国船から物を受け取らないよう指示したりと、当時の社会の混乱がうかがえる。親戚の使いをかたって服を借り逃げた盗人がいた事例を知らせて注意を促す記述もあった。

 同会はコレラに関する部分の読解を2019年に始め、DVDにまとめた。ロシアのウクライナ侵攻など世界情勢が不安定になる中、外国船来航で大騒ぎになっていた時代の様子を参考にしてもらおうと取り組んだ。

 山本洋子会長は(73)は「みみずのような文字を読み解くのは大変だった。阿賀の歴史を多くの人に知ってもらいたい」と話した。冊子は同センターや図書館で閲覧できる。(小林旦地)

(2023年4月4日朝刊掲載)

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