×

ニュース

広島サミット5・19~21] 被爆樹木使った化粧筆 晃祐堂 平和への祈り広げる

 熊野筆製造の晃祐堂(広島県熊野町)は、5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、持ち手に被爆樹木を使った化粧筆を作った。広島を訪れる人たちに平和への祈りを広げようと思いを込めた。

 持ち手の下の部分に使ったのは、三篠神社(広島市西区)の境内に植わるクスノキの剪定(せんてい)された枝。樹齢は120年で、爆心地から1850メートル離れた民家で被爆した後、三篠神社に移植された。

 持ち手の上の部分には桜の木を使用。動物愛護や環境保護の世界的な流れを考慮し、毛先に植物由来の人工毛を用いた。箱は平和記念公園(中区)などに寄せられた折り鶴の再生紙で作った。

 約200本製作し、1本7700円。直売店やおりづるタワー(中区)などで10日に発売する。土屋武美社長は「G7サミットを契機に広島を訪れる人が、被爆の惨禍を生き抜いた樹木の力強さと平和の大切さを感じ取ってもらえれば」と願っている。(加田智之)

(2023年4月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ