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岩国基地 騒音2万5034回 22年度 苦情 2番目の多さ 米艦載機移転5年 なお高水準

 米軍岩国基地(岩国市)周辺で70デシベル以上の騒音測定が2022年度に2万5千回を超えたことが5日、岩国市のまとめで分かった。滑走路が沖合に移った10年度以降で最多だった21年度より減ったものの、空母艦載機の同基地への移転が18年3月に完了した後の高水準での推移は続く。騒音の苦情は10年度以降で2番目に多く、活発化する基地の動きを市民が不安視していることを裏付けた。(有岡英俊)

 市は市内5カ所で騒音を測定し、「騒々しい街頭」に相当する70デシベル以上は2万5034回あった。艦載機が移ってからの5年間では最も少なく、10年度以降で初めて3万回を超えた21年度より約5500回減った。空母ロナルド・レーガンと洋上で展開する艦載機の帰還が2カ月遅かったことが一因と市はみる。

 空軍のステルス戦闘機のF35AとF22ラプターの計30機が飛来して訓練を繰り返した6、7月は計3350回で21年度同時期の2倍、艦載機が一時的に帰還した8月は1225回で同9・4倍だった。

 市に寄せられた22年度の苦情は4964件。10年度以降では、艦載機が移転を終えた直後の18年度の5428件に次いで多かった。

 岩国基地では昨年、動きが活発化した。6、7月に飛来した空軍機と基地の所属機は東シナ海へ飛び、台湾海峡で動きを強める中国に対抗。艦載機は9月、北朝鮮が弾道ミサイルを立て続けに発射するきっかけになったとみられる米韓の軍事演習に参加した。

 市基地政策課は「騒音回数が減る一方で苦情が増えたのは、基地の動きに対する市民の関心や不安の表れと受け止める。引き続き騒音対策に取り組む」としている。

(2023年4月6日朝刊掲載)

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