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核軍縮や規範強化 訴え 声明文に三つの柱 国際賢人会議閉幕

 「核兵器のない世界」への道筋を探る第2回国際賢人会議は5日、7月末に始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会への声明文で、核軍縮の具体的な手続きを各国が取るよう求めることを決め、東京都内での2日間の日程を終えた。

 声明文はNPTでは明記されていない核兵器の不使用などの規範を維持、強化▽具体的な核軍縮や軍備管理、信頼醸成措置の実施▽NPTの運用プロセスの強化のための具体的な措置―の三つの柱で構成。詳細は準備委までに詰める。

 記者会見で、ドイツの元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表のケイン氏は、ロシアが履行を停止した新戦略兵器削減条約(新START)に言及した。2026年に期限切れで失効すると米国とロシア間の核軍縮条約がなくなることを危惧し「2国間の枠組みだけではなく、他の国を含めた新しい枠組みが必要だ」と強調。核保有国の中国を関与させる重要性も訴えた。

 ロシアは、ウクライナの隣国ベラルーシに戦術核兵器を置く構えだが、会議座長の白石隆熊本県立大理事長は「核の不使用は規範として(ロシアを含む会議出席者全員に)受け止められた」と説明した。

 岸田文雄首相は5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で国際賢人会議の議論を参考にする考えを示す。白石氏は「政府から求められれば私なりの考えを申し上げる。どうするかは政府が決めることだ」と述べた。(中川雅晴、樋口浩二)

(2023年4月6日朝刊掲載)

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