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観光業者 理解と懸念と 宮島 G7期間の訪問規制 「書き入れ時 痛手」

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて5月18~20日に観光客が訪問できなくなることが6日に発表された廿日市市の宮島。県内有数の観光地である島の土産物店や宿泊事業者からは「仕方がない」という声が上がる一方、経営への影響や宿泊受け入れ中止の手続きが進むかどうかなどを懸念する声も広がった。(永井友浩)

 「週末を含む書き入れ時だけに痛手。3日間は臨時休業するしかない」。厳島神社近くで土産物店を営む山村ゆう子さん(54)は残念がる。岸田文雄首相の地元で開催するG7サミットの意義については理解を示すものの、島の観光産業への影響を懸念する。

 もみじまんじゅう製造販売業の江草大和さん(40)も「休業への協力を求められているが金銭的な補償もない。従業員が多い旅館などはさらに影響が大きいだろう」と気をもむ。

 宿泊事業者は、この3日間の宿泊予約を断るよう広島サミット県民会議事務局から求められている。39室を構えるホテルの錦水館は、20組ほどの日本人客には電話で事情を説明して了承してもらった。ただ「公式な発表がなければ外国人客への説明が難しい」と明かす。残る20組弱の外国人客には、市の発表を受けた6日にキャンセルのお願いをメールで送ったという。

 志熊聡総支配人(60)は「サミット開催は宮島全体のプラスになると思うが、この日を特別な1日だと思って予約したお客もいるかもしれない。全員に連絡がついて了承してもらえるまで安心できない」と話している。

(2023年4月7日朝刊掲載)

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