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原爆症申請 8割再却下 認定基準見直し後

 原爆症の認定申請を却下され、国に却下処分の取り消しを求めて提訴した原告のうち、昨年12月に見直された新たな認定基準による審査を終えた人の8割弱が再び却下されたことが24日、分かった。原告の弁護団は「新基準でも行政認定と司法判断の隔たりが埋まっていないのが明白だ」と批判している。(藤村潤平)

 厚生労働省は、提訴中の原告について、新基準に基づく審査を被爆者医療分科会に諮問。分科会は24日を含めて2回の会合を開き、原告の大半の計95人を審査した。

 その結果、認定と答申されたのは16人と2割弱にとどまった。73人は却下され、残りの6人は保留と判断された。同省によると、まだ審査していない原告は10人前後いるという。同省被爆者援護対策室は「被爆状況は一人一人異なる。審査結果は一概に評価できない」としている。

 新基準では、心筋梗塞など三つの非がんの病気について「放射線起因性(原爆放射線と病気との関連性)が認められる」との条件を削除。一方で、被爆の距離条件を「約2キロ以内」に狭めた。

 原告は昨年12月に「ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団」を結成。支援する弁護団の内藤雅義弁護士は「あらためて却下された原告の多くは、これまでの判例から勝訴する可能性が高い。裁判が進めば、国は新基準をまた見直さざるを得なくなるのではないか」と指摘している。

原爆症認定制度
 爆心地から約3・5キロ以内で被爆などの条件で、がんや白血病など七つの病気を積極認定。それ以外は総合判断する。認定されると、医療特別手当として月約13万5千円が支給される。厚生労働省の有識者検討会は3年間の議論を経て、心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変の三つの病気について被爆条件を細かく設定する見直しを昨年12月に提言。厚労省はこれを踏まえ、5年ぶりに認定基準を変更した。

(2014年2月25日朝刊掲載)

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