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「反骨の巨匠」 反戦のピアノ ロシアのアレクセイ・リュビモフ 14日 廿日市でリサイタル

 ロシアのピアノ界で「反骨の巨匠」と称されるピアニスト、アレクセイ・リュビモフのリサイタルが14日、廿日市市の文化ホールウッドワンさくらぴあである。ブラームスとショパンの名曲に加え、反戦の意を込めウクライナの現代曲をプログラムに組み込む。

 1944年、モスクワ生まれ。モスクワ音楽院で学び、数々のコンクールで優勝。旧ソ連時代、シェーンベルクやブーレーズなど西側の現代作曲家の作品を先んじて演奏したことで知られる。

 数年前に引退したが、ロシアのウクライナ侵攻を機に復帰。昨年、モスクワで反戦を意図して開いたコンサートは、中止させようとする警察官に抵抗して演奏を続行し、その様子がインターネットを通じて世界に広まった。

 広島公演では、モーツァルトのピアノ・ソナタ第8番、ブラームスの「7つの幻想曲」、ショパンの「舟歌」のほか、盟友であるウクライナの作曲家シルベストロフの「4つのバガテル」などを奏でる。

 シルベストロフの音楽を愛し、50年近く弾き続けてきたというリュビモフ。「美しいメロディーは、現実に起こっていることを包み込むようだ」と語る。5月に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、「ヒロシマ、ナガサキに続く悲劇を起こさせないという気持ちを共有したい」と願う。

 午後6時45分開演。自由席6500円(前売り6千円)。三次音楽家協会☎080(8243)1540。(西村文)

(2023年4月11日朝刊掲載)

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