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4選の松井広島市長に聞く 中央図書館移転 文化施設も検討 放影研跡地 活用策を議論

 広島市長選で4選を果たした無所属現職の松井一実氏(70)は10日、中区で中国新聞のインタビューに応じた。市中心部で進む大型事業を商工センター地区(西区)など周辺部に広げることに意欲を示した。市立中央図書館(中区)移転後の敷地活用を巡り、文化芸術施設の整備を探る考えを強調した。(社会担当部長・城戸収)

  ―次点と22万票余りの差がついた選挙結果をどう受け止めますか。
 多くの支持をいただいた。3期12年のまちづくりへの一定の評価だと思う。

  ―選挙戦では、国際会議などを開ける「MICE(マイス)」施設をはじめとする商工センター地区の再整備を訴えました。どのように進めていきますか。
 地元企業などでつくる「広島商工センター地域経済サミット」から、広島サンプラザのMICE施設への建て替え、草津港を含めた中央市場再整備といった提案をもらった。庁内でも体制を整え、2024年度中に官民連携でまちづくりビジョンをまとめたい。出島地区(南区)にはメッセ・コンベンション施設事業用の市有地があり、私が市長になる前に取得していた。その変更手続きも同時に進める。

  ―音楽ホールの整備を視野に入れるとも訴えました。中央図書館移転後の敷地に設ける考えはありますか。
 中央図書館を含めた中央公園一帯の在り方は、有識者会議の議論を踏まえて20年3月、「文化芸術」「こども」など五つのゾーンに分けて再整備する基本方針を示した。将来的に市内に音楽専用施設を造ることも視野に入れて頑張りたい。どこが(候補地)とは言えないが、中央公園一帯に文化芸術施設を整備するなら排除できないと考えている。ただ既存のホール、建て替え時期を迎える広島バスセンターとの兼ね合いなど複合的な議論が必要だ。

  ―広島大霞キャンパス(南区)へ移転する放射線影響研究所(放影研、南区)の跡地の活用策は。
 放影研のある比治山公園一帯を「平和の丘」として再整備する構想では跡地を「平和・芸術文化ゾーン」とする。ようやく活用策を議論できる状況になった。放影研は25年度内の移転完了を目指しているが、それまでに練っていきたい。

  ―中央図書館移転を巡っては市民や市議会の一部から批判もありました。どう受け止めていますか。
 中央公園全体の在り方は時間をかけ議論した。図書館の移転も手続きを重視し、市民の代表である市議会の了解を得るため議論した。安佐市民病院(安佐北区)移転時と同じで、異なった手法を用いていない。

  ―5期目を目指す考えはありますか。
 4期目を一生懸命やり抜く。それが終わる頃に改めて考える。

(2023年4月11日朝刊掲載)

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