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「核の非人道性 理解を」 NGO連絡会 G7首脳に注文

 非政府組織(NGO)や市民団体でつくる「核兵器廃絶日本NGO連絡会」は11日、オンライン形式の記者会見を開き、5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)への期待や注文を発表した。各国首脳が被爆者の証言を聞いて核兵器の非人道性に思いを巡らせることや核への依存を減らす議論を求めた。

 共同代表を務める被爆者や市民団体代表たち8人が順番に話した。日本被団協の田中熙巳代表委員(90)は、一発で数十万人の命を奪う核兵器の非人道性を為政者が十分理解していないと指摘。被爆者の証言や原爆資料館(中区)の視察を通じてG7首脳が「核被害をリアルに想像できるようにしてほしい」と求めた。

 長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男(まさお)会長(79)は「先制不使用など核の役割を低減する議論を期待する」と強調。NGO核兵器廃絶国際キャンペーンICAN(アイキャン)の川崎哲(あきら)国際運営委員は、サミットで「核なき世界」へのメッセージを出すとする岸田文雄首相に対し「言葉だけで終わらせず、一歩をこの機会に踏み出さなければいけない」と訴えた。(樋口浩二)

(2023年4月12日朝刊掲載)

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