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韓国在住者を初認定 「黒い雨」新基準で広島市

 広島原爆の投下後に降った「黒い雨」を巡る新たな被爆者認定基準で、広島市が先月に韓国の1人を被爆者と認め、被爆者健康手帳の交付を決定していたことが11日、分かった。国が昨年4月に導入した新基準に基づく韓国の在外被爆者の認定は初めて。

 市は10月、新基準で初めて米国の1人を黒い雨の在外被爆者と認めた。その後、今年1月に米国の1人へ、3月に米国と韓国の各1人へそれぞれ手帳交付を決めたという。

 広島県と市では、新基準導入の契機となった広島高裁判決が確定した2021年7月から23年3月までに4696人が手帳交付を申請。うち3763人が23年3月までに認定された一方、黒い雨に遭ったと確認できないなどとして、184人が却下された。残る749人の大半は県と市が審査中。一部は申請を取り下げたという。

 新基準では、本人の証言や当時の居住地などから黒い雨に遭った可能性を否定できず、がんなど11疾病にかかっている場合、被爆者健康手帳を交付する。白内障は手術歴も含む。海外在住者は被害場所に応じ、在外公館を通じて県か広島市に申請する。一時帰国者は他の都道府県にも出せる。(小林可奈)

(2023年4月12日朝刊掲載)

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