×

ニュース

核廃絶実現へ 首相に提言書 C7サミット代表者

 5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、核兵器廃絶などの政策課題を世界各国の市民が話し合う会議「C7サミット」の代表者が12日、官邸で岸田文雄首相に提言書を渡した。首相は「サミットを核兵器のない世界への思いを確認する場にしたい」と応じたという。

 C7サミットは今月13、14日に東京で開く会議を前に、昨年12月からオンライン形式を含めた会議を重ねて提言をまとめた。「核兵器廃絶」「国際保健」「人道支援と紛争」などの六つの課題を取り上げ、核兵器廃絶はG7各国の首脳が被爆者と面会し、核軍縮への「強い意思と責任」を声明として出すよう求めた。

 さらに核兵器使用による人々や環境への被害を認識し、核威嚇を非難するよう要請。原爆投下100年の2045年までに核兵器廃絶を実現するための交渉の計画を立てるよう訴えた。G7各国が批准していない核兵器禁止条約の締約国会議への出席も求めた。

 首相は「しっかりとサミット本番に向けて準備する」と述べたという。C7を主催する団体の木内真理子共同代表は「世界72カ国の市民が参加した。多様な視点を首脳の議論に生かしてほしい」と期待した。面会には広島被爆者団体連絡会議の田中聡司事務局長も同席した。(中川雅晴)

(2023年4月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ