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@ひろしまサミットまで 36日 軍都

 近代以降の広島は、「軍都」として国家に奉仕することで都市整備を進めた歴史があります。旧陸軍第五師団が置かれ、日清戦争では大本営が広島城内に。臨時軍費などを審議するため、西練兵場に臨時帝国議会仮議事堂も建てられました。日露戦争でも出兵部隊の集合地となりアジアへの侵略基地としての役割を担いました。

 現県庁や旧市民球場跡地などの一帯に西練兵場が、その北のサッカースタジアム建設地には陸軍の輸送部隊の施設がありました。「軍都」ゆえ広島には、原爆が投下された時も全国から召集された軍人が多数いました。1945年末までの犠牲者のうち軍人は約2万人とも推計されていますが、全容は未解明のままです。(森田裕美)

(2023年4月13日朝刊掲載)

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