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上関原発埋め立て 判断先送りを踏襲 村岡・山口知事が初登庁

 山口県知事選で初当選した元総務省官僚の村岡嗣政知事(41)が25日、県庁に初登庁した。就任後初の記者会見に臨み、上関原発建設予定地(同県上関町)の公有水面埋め立て免許延長の可否について昨春、判断を1年程度先送りした山本繁太郎前知事(65)の姿勢を踏襲する意向を示した。

 村岡知事は延長の可否について「中国電力の回答を受けて判断する」と述べ、昨年3月に判断を1年程度先送りした山本氏と歩調を合わせた。回答期限はことし4月に迫っている。

 建設計画の是非について「エネルギー政策は国策で国が責任を持って判断するものだ」と言及を避けた。その上で「東日本大震災を経験し、できるだけ原発に依存しないエネルギー構造に進むのは当然」とした。

 同世代の湯崎英彦広島県知事(48)、伊原木隆太岡山県知事(47)とは「観光など相乗効果が高い部分で、大小問わずに連携したい」と協調路線を鮮明にした。一方で道州制への移行は「国家をどう考えるかという大きな議論が必要」と指摘。中国地方5県が、個別の政策課題ごとに連携を探る枠組みが望ましいとした。

 県選管は同日の選挙会で開票結果を確定し、当選証書を交付した。任期は投開票日の23日から4年。村岡知事は25日、知事職務代理だった藤部秀則副知事から事務を引き継いだ。(村田拓也)

一問一答

広島・岡山と観光連携 岩国基地 地元と対応

 村岡知事の会見での主な発言は次の通り。

  ―上関原発建設計画の公有水面埋め立て免許にどう対応しますか。
 中国電力からの回答を待っている状態。回答を受けて内容を検討し判断する。

  ―「村岡カラー」をどのように出しますか。
 産業の再生は山本繁太郎前知事が取り組まれた計画を充実させスピードアップする。その他の分野は、県の目指すべき方向を中期ビジョンとして取りまとめる中で自分の考え方や方向性を打ち出す。2014年度に議論して15年度からの施策に反映したい。

  ―14年度当初予算案に自身の政策を盛り込みますか。
 課題を把握した上で自分の政策を打ち出したいので一定の期間がいる。今回は期間が限られており骨格予算にならざるを得ない。

  ―広島、岡山両県も40歳代の若い知事。どんな連携をしていきますか。
 観光は相乗効果が高い。地域全体でまとまって打ち出すとアピール力がある。連携がプラスになれば大小問わずやっていきたい。

  ―道州制の議論について県の方向性は。
 道州制は国家をどう考えるかの議論が最初に必要。国の議論を注視したい。

  ―米海兵隊岩国基地(岩国市)にどう対応しますか。
 地元自治体が住民の声を聞いて取り組んでいる。岩国市としっかり連携し、尊重して対応したい。

  ―多選をどう考えますか。
 特に考えはない。県民の負託に応えられるよう、この4年間に全力を尽くす。

(2014年2月26日朝刊掲載)

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