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連載・特集

@ひろしまサミットまで 35日 移民県

 広島は全国一の移民県といわれます。政府主導でハワイへの渡航が始まった1885年から戦後にかけ、把握できるだけで11万人近くをハワイ、北米、南米などへ送り出してきました。

 のちに戦火を交えた米国にも多くの人が渡りました。時期によって移住の目的はさまざまですが、農業経営などで身を立てた人も少なくありません=写真(サーロー節子さん提供)。

 日米開戦で、米国にとどまった移民は日系人強制収容所へ送られました。ハワイや米本土で生まれ、教育のため親の古里にいた2世は1万人余り。その約7割が広島市や近隣で、米軍が投下した原爆に遭いました。戦後米国に戻った「帰米2世」の中には、被爆者も多いのです。(森田裕美)

(2023年4月14日朝刊掲載)

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