×

ニュース

[広島サミット5・19~21] Y7など政策提言次々 エンゲージメントグループ 政府、討議で活用へ

 5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、サミットへ政策提言する「エンゲージメントグループ」と呼ばれる団体が相次いで岸田文雄首相を訪問している。グループの提言は毎回のG7サミットで生かされている。日本政府も討議で活用するとみられる。

 G7各国出身の30代以下の若者たちは9日から5日間、東京都内でY7サミットを開催。平和構築に向けた若者同士の交流促進などを求める提言をまとめ、主催団体の千葉宗一郎会長が13日に首相へ伝えた。首相は「広島サミットに反映すべく、全力の努力をさせてもらう」と答えたという。

 Y7のメンバーは先週8日に広島市を訪れ、原爆資料館を見学している。千葉会長は首相と面会後、「被爆者との対話で学んだことを提言書に盛り込んだ。未来に向けてG7の協力をお願いした」と話した。

 エンゲージメントグループはこれまでも分野ごとに各種団体がつくり、議長国政府に提言書を届けてきた。ドイツで昨年開かれたエルマウサミットの首脳声明は「われわれの討議に対する重要なインプットに感謝する」とした。

 広島サミットを巡っては、労働組合関係者が集まるL7が7日、物価高に見合う賃金引き上げなどを求める声明文を採択。連合の芳野友子会長たちが官邸で首相に手渡した。

 来週19、20の両日は、経団連がG7各国の経済団体首脳を集めたB7サミットを都内で開く。「全ての国・地域に開かれた自由で公正な貿易投資の枠組み」の発足などを盛り込む共同提言をまとめる方針でいる。

 性的少数者や支援団体が先月設立したP7は、当事者の権利を守るための法整備などを求める声明を準備している。(口元惇矢)

(2023年4月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ