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広島サミット5・19~21] 平和への思い 留学生が発信 南区でスピーチコン

 県内の大学で学ぶ留学生のスピーチコンテストが広島市南区の広島大霞キャンパスであった。5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催に合わせ、県内21大学でつくる広島サミット協力大学協議会が主催。留学生たちは「広島で考える、平和と地球とわたしたちの未来」をテーマに、日本語で思いを語った。

 14日にあった大会には台湾や中国、米国出身の8大学計11人が参加。大学関係者たち約150人が聞き、協議会を構成する大学の学長たち10人が審査した。

 1位に選ばれたのは韓国から留学している広島市立大のイ・スンヒョンさん(27)=西区。原爆資料館(中区)の見学や平和記念式典への参列を通じて戦争の悲惨さに触れたとし、「広島で学んだ考え方や知識をいろんな人に伝えたい」と述べた。サミットで広島を訪れる各国のリーダーたちにも「広島の経験を持ち帰り、平和を築いてほしい」と期待した。

 ベトナムからの留学生は20年ほど前、既に終結したベトナム戦争とジェット機のごう音を重ねておびえる母親の姿を見たという。「戦争の影響は何十年も人の心に残る」と述べた。他に原爆で大破しながらも修復され、今も広島市内を走る被爆電車を平和の象徴として末永く大切にしてほしいというスピーチもあった。(下高充生)

(2023年4月16日朝刊掲載)

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