×

ニュース

サミット万全警備を 広島市でも緊張走る

 岸田文雄首相の和歌山市の演説会場で筒状のものが投げ込まれ爆発した事件を受け、5月に先進7カ国首脳会議(G7サミット)がある広島市でも緊張が走った。開幕まで約1カ月。各国の要人警護を担う広島県警は「あらゆる事態に備える」と改めて強調した。市民からは万全な警備を切望する声が相次いだ。(山崎雄一、堅次亮平、岩崎新)

 サミット期間中、首脳らの訪問が予想される平和記念公園(中区)。安佐南区の会社員西原慧さん(30)は安倍晋三元首相の銃撃事件に触れ「どうしてこんな犯行が続くのか。サミット警備に力を入れてほしい」と求めた。

 主会場のグランドプリンスホテル広島が立つ南区元宇品町の住民にも不安が広がった。元宇品町内会の門隆興会長(80)は「警戒する中でも起きた。住民はすぐそばで生活している。ほころびのない警備を」と注文した。

 県警は隙間のない警備態勢の構築を進める。首脳を守る警護員らの訓練を重ね、サミットを取り巻く危険の情報収集や分析を続ける。県外からも警察官が続々と広島入りし、24時間態勢で警戒を強化している。

 そんな中、12日には「平和記念公園に爆発物を仕掛けた」と爆破を予告するメールが県や市に届いた。異常は確認されなかったが一時、多くの警察官が公園内で不審物の捜索などに追われる事態となった。

 サミット本番では人口や交通量が多い市街地を首脳らが移動し、沿道対策も重要になる。県警サミット対策課の平原敏浩次席は「警備、警護の計画作りを粛々と進める」と緊張感を漂わせた。

(2023年4月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ