×

ニュース

広島サミット5・19~21] 平和公園 異例の厳戒 オバマ氏訪問上回る規模

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催に伴う広島市による平和記念公園(中区)の立ち入り制限は、7年前のオバマ米大統領の訪問時を上回り、4日に及ぶ。旅行客が回復し、修学旅行も真っ盛りの時期だが、公園内の原爆資料館は期間中の団体客の受け入れを止めるなど、異例の厳戒態勢を取る。(川上裕、宮野史康)

 「オバマさんの時とは規模が違う。安全のために協力したい」。公園内を歩いていた大石和樹さん(72)=中区=は市の判断に理解を示した。毎日散歩に訪れるという神田健さん(64)=同=は「海外から来た人が公園に入れなくて困らないように、しっかり周知してほしい」と求めた。

 オバマ氏が訪れた2016年5月27日に、市や広島県警は過去最大の警備態勢を敷いた。滞在はわずか52分だったが、市は当日正午から訪問終了まで公園内の立ち入りを制限。市職員や警察官が立ち、公園南側の平和大通り沿いは大型バスを縦列に並べてふさいだ。

 今回は、サミット開幕前日の5月18日正午から、最終日の21日に関連行事が終わるまでとし、市民や観光客への影響が増す。期間中に休館する原爆資料館は「複数の学校から団体予約があったが、昨年のうちにキャンセルしてもらった」と説明する。

 公園そばのカフェ店長藤井ゆかさんは「海外の観光客が戻ってきている中ではあるが、大きな行事なので仕方がない。サミット後に訪れる人が増えてほしい」と期待した。

(2023年4月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ