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被爆証言を聞き あの日を油絵に 基町高生

■記者 水川恭輔

 基町高(広島市中区)創造表現コースの3年生5人が、原爆投下後の広島を被爆者から聞き取り、それぞれ1枚の油絵で表現した。7日、64年前の記憶を語ってくれた被爆者3人を校内に招き、完成披露会を開いた。

 計5点はいずれも横約60センチ、縦約50センチ。焼却場に積み重ねられた遺体を描いた原望美さん(17)は「制作途中に『遺体がまだ少ない』と言われたのが衝撃だった」。三戸奈津美さん(18)は原爆投下3日後の父と娘の再会をテーマにした作品の前で「命の大切さが伝われば」と期待した。

 同高は被爆証言を基にした絵の制作を一昨年度に始めた。証言に協力した梶本淑子さん(78)=西区=は「絵を見て記憶が鮮明によみがえった」と感心していた。11日の文化祭では一般市民も鑑賞できる。その後は、原爆資料館(中区)に寄贈する。

(2009年7月8日朝刊掲載)

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