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[G7閣僚会合▶▶論点は 岸田政権閣僚に聞く] 加藤勝信 厚労相(保健相会合 5月13~14日、長崎市)

将来の感染症へ備え強化

 広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、保健相会合が5月13、14日に長崎市である。議長の加藤勝信厚生労働相は新型コロナウイルスの経験を踏まえ、「将来の危機に備えた対応強化策を取りまとめたい」と意欲を示している。(山本庸平)

  ―保健分野の課題を、どのように考えていますか。
 コロナへの対応が4年目に入り、将来起こりうる感染症への備えについての議論が国際的に進んでいる。例えばワクチンなどの医薬品を迅速に開発し、先進国だけでなく世界中に公平に届ける取り組みが欠かせない。長崎の会合では、そのための投資や規制緩和を推進するべく討議を重ね、G7共通の方向性を示していきたい。

  ―議長国として、日本の強みをどう生かしますか。
 全ての人が適切な保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の達成が大事だと、コロナの流行で認識させられた。日本は国民皆保険をいち早く達成した国だ。より強靱(きょうじん)で、より公平で、より持続可能な保健医療システムの構築に向けた議論をリードする。

  ―倉敷市で4月22、23日にある労働雇用相会合でも議長を務めます。議題となる「人への投資」は、岸田文雄政権も重要政策に掲げています。
 デジタル化や、環境に配慮するグリーン化によって産業構造が変化し、働く人のリスキリング(学び直し)が重要性を増している。その支出は経費ではなく、投資であるとの認識を参加国で共有し、世界に発信していく。

 今回は労働者の心理的な側面についても初めて着目する。働きがいの高め方について、成果を出せるよう努める。

  広島サミットを見据えた意気込みはどうですか。
 コロナ禍が収束に向かいつつある中、次の時代をつくる流れを巻き起こしたい。

 <保健相会合>会場は長崎市の出島メッセ長崎。新たな感染症のまん延を防ぐため、国際保健のルールや資金調達の枠組みを議論する。

 <労働雇用相会合>倉敷市の倉敷アイビースクエアである。働く人への教育や支援といった人的資本への投資が主要テーマとなる。

(2023年4月19日朝刊掲載)

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