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[広島サミット5・19~21] 「オバマ鶴」の折り紙を復刻 広島・大阪の業者

「平和願う気持ち 感じて」

 2016年5月に当時の米大統領のオバマ氏が広島市を訪れた際、持参した折り鶴と同じ柄の折り紙が復刻した。販売会社が経営破綻して売り場から消えていたが、広島市と大阪の印刷会社が生産、販売にこぎ着けた。先進7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催が1カ月後に迫る中、被爆地を訪れた人に平和への願いを込めて折り鶴を折ってほしいと望む。(服部良祐)

 復刻したのはハラダ印刷(安佐南区)の原田正樹取締役と阪神印刷(大阪市)の藤田歩代表。オバマ氏が原爆資料館(中区)に持参した4羽の折り鶴のうち、桜の花びらの柄と梅の花の柄の2種類を今月末にも発売する。いずれも和紙を使った。原爆資料館は4羽を保管し、2羽を展示。展示中の1羽が、梅の花の柄を使っている。

 6年ほど前、この折り紙を売っていた大阪の販売会社が経営破綻。土産物店などの店頭から消えた。オバマ氏ゆかりの品と知っていた原田取締役はかねて、印刷元の阪神印刷の藤田代表に「利益にならなくても残したい」と相談していた。約1年半前に商品の権利関係が整理され、復刻のめどが付いたという。

 原田取締役は今月末をめどに、市中心部などの土産物店で売ってもらおうと商談中。パッケージにはオバマ氏ゆかりの折り紙と伝える言葉を添えた。「サミットを機に広島を訪れた人にも手に取ってもらい、オバマさんの平和を願う気持ちを感じながら折り鶴を折ってほしい」と話す。

(2023年4月19日朝刊掲載)

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