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「黒い雨」認定の韓国在住者 朴さん「助け受け挑戦」

 韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部が18日、広島市役所で記者会見した。広島原爆の投下後に降った「黒い雨」を巡る新たな被爆者認定基準で、韓国在住者では初めて被爆者に認定されたのが、京畿道に住む朴煥文(パク・ファンムン)さん(87)だと明らかにした。

 支部によると、可部国民学校(現可部小、安佐北区)4年生だった朴さんは1945年8月6日、可部で黒い雨に遭ったという。

 朴さんは可部にある寺で被爆者の救護にも当たっており、2006年から21年まで4回、救護被爆で被爆者健康手帳の交付を広島県、市へ申請。同支部の支援を受けて証人を捜し出すなどし、可部も訪れて記憶を確かめたが、認定には至っていなかった。国が昨年4月に黒い雨を巡る新基準を導入したのを受け、黒い雨の被害でも追加申請。認められ、4月13日に手帳を受け取った。

 朴さんは「助けがなければ、10年以上も諦めずに挑戦を続けることはできなかった。生きている間に手帳を手にできた」とのコメントを寄せた。支部は在韓被爆者の認定に関し「手帳を受け取れないまま、多くの人が亡くなっている。取り返しのつかない支援の空白だ」と指摘した。(小林可奈)

(2023年4月19日朝刊掲載)

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