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静岡で「ビキニ」全国集会 日本原水協 1000人参加

 静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が米国の水爆実験で被曝して60年となる1日の「ビキニデー」を前に、日本原水協は28日、静岡市で全国集会を開いた。

 広島、長崎の被爆者を含む約千人が参加した。原水協の笠井貴美代代表理事は「第五福竜丸事件を機に起きた原水爆禁止を求める市民運動が核戦争の抑止につながった」とあいさつ。被爆70年の2015年にある核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、核兵器廃絶の国際的な連携強化に取り組むことを確認した。

 続いて、被爆者援護や原発問題などをテーマに8分科会を開催。原水爆禁止運動の歴史を学ぶ分科会では、第五福竜丸の元乗組員、池田正穂さん(81)=焼津市=の証言ビデオが上映された。池田さんは「被曝への偏見を恐れて証言をためらう時期もあったが、今が体験を伝える最後のチャンスだ」と語った。

 一方、原水禁国民会議も28日、静岡市で学習会を開いた。参加者は「死の灰」による汚染で古里への帰還が進まないロンゲラップ環礁の元住民たちの現状を学んだ。

 原水協、原水禁は1日、被曝半年後に亡くなった第五福竜丸の乗組員、久保山愛吉さんを悼み、それぞれ集会や墓前祭などを実施する。(坂田茂)

(2014年3月1日朝刊掲載)

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