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平和貢献 経営者の役割は 広島で「経済人会議」

 ビジネスによる平和貢献の方策を議論する「世界平和経済人会議ひろしま」が20日、広島市中区のホテルであった。同市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)も見据え、ロシアによるウクライナ侵攻など国際的な課題の解決に向けて経営者たちが担う役割を確認した。

 米ハーバード大ウクライナ研究所のセルヒー・プロヒー所長が講演。ウクライナに侵攻したロシアが稼働中の原発を制圧したことなどに触れ、戦争を発端にした原発事故などへの懸念を強調した。プロヒー氏は「ビジネスリーダーは冷戦の時以上に役割を果たさなければいけない」と述べ、経済界などがこれまで果たしてきた核戦争を起こさないための努力を学び直す必要性を訴えた。

 情報企業の役割をテーマにした討議もあった。投資会社の共同創業者で元駐日米大使のジョン・ルース氏は、文章や画像を自動で作る人工知能(AI)の開発を巡り「企業は透明性を高め、信頼を得ることが重要」と語った。

 同会議は2013年に始まり、8回目。核兵器廃絶に取り組む県主導の官民組織へいわ創造機構ひろしま(HOPe)が主催した。エネルギー危機や食糧危機をテーマにした討議もあった。(久保友美恵)

(2023年4月21日朝刊掲載)

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