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NPT体制 強化訴え 国際賢人会議が声明 準備委に提出へ

 「核兵器のない世界」への道筋を探る国際賢人会議は21日、7月末に始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会に出す声明を発表した。

 ロシアの核威嚇を念頭に「核兵器使用という事態に状況がエスカレートする危険性はかつてないほど高まっている」と指摘。NPT体制は「国際的な安全保障構造の礎石」として核使用や威嚇をしないよう規範強化を唱え、核戦力拡大などNPT体制を損なう動きに関わらないことも求めた。

 広島、長崎への原爆投下にも触れ「核兵器使用の悲惨な結果に関する認識を高める」ことも要請。保有国の核戦力の透明性を高める仕組みづくりも訴えた。

 国際賢人会議は岸田文雄首相が提唱し、米国やロシアなどの核保有国と、ドイツやアルゼンチンなどの非保有国計12カ国の委員15人でつくる。オンラインで記者会見した白石隆座長(熊本県立大理事長)は「委員の間で立場や考え方は異なるが(核使用の)危機感は全員が共有した」と話した。首相は5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で国際賢人会議の議論を参考にする考えだ。(中川雅晴)

(2023年4月22日朝刊掲載)

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