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核軍縮の課題 広島サミットへ報告書 長崎大RECNA

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)が広島で開かれるのを前に長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)は、深刻化する核軍縮の停滞を打開するため首脳らが打ち出すべき政策などを論じた報告書「核軍縮の再生 広島G7サミットに向けて」をまとめた。

 RECNAの研究者たち7人が執筆。センター長の吉田文彦教授は、ロシアが核兵器使用の威嚇を続ける中「事態の好転につなげられるようなメッセージや政策を打ち出せないまま被爆地でのサミットが終わってしまえば、核兵器が使われるリスクの高止まりが続きかねない」と指摘。昨年の20カ国・地域首脳会議での首脳宣言に注目し、G7参加国も核兵器の使用と威嚇に何らかの制約を加える方向に進むべきだとした。

 北東アジアでの核リスクを踏まえ、鈴木達治郎教授は「抑止力強化のみに頼るのではなく、地域の緊張緩和に向けての外交努力を」と強調する。中村桂子准教授は、被爆地と市民がサミットを一過性のイベントとせず、核問題を巡り当事者意識を持って活動するとともに「核軍縮教育」推進の契機にすべきだとした。

 A4判39ページ。RECNAウェブサイトでPDFを公開している。

(2023年4月24日朝刊掲載)

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