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「粘り強く核廃絶」誓う 原水禁と原水協、静岡で集会 ビキニ被曝60年

 静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が米国の水爆実験で被曝(ひばく)して60年となった1日、原水禁国民会議は静岡市でビキニデー全国集会を開いた。参加者は、核兵器廃絶に向け取り組みを粘り強く続けていくことを誓った。

 約350人が参加した。原水禁の川野浩一議長は「核兵器廃絶を求める世論は世界に広がっているが、被爆国日本は米国の核戦略を擁護している」と日本政府の姿勢を非難。マーシャル諸島の核被害を長年取材するフォトジャーナリストの島田興生(こうせい)さんは「被爆地とビキニ、原発事故のあった福島の経験を忘れず、放射線被害の根絶につなげたい」と記憶を継承していく重要性を訴えた。

 昨年8月、「高校生平和大使」としてスイスの国連欧州本部で核兵器廃絶を訴えた渥美真央さん(17)=静岡市=は「同世代に核被害の怖さを伝えたい」と決意を表明。大会後、核兵器廃絶を訴えて同市内の約2キロを行進した。

 日本原水協も1日、焼津市でビキニデー集会を開催。マーシャル諸島を訪れている第五福竜丸の元乗組員、大石又七さんが電話で参加し、放射能に汚染された島から避難している元住民や現地の状況について報告した。

 原水禁と原水協は、被曝半年後に亡くなった無線長久保山愛吉さんの墓のある焼津市内で、それぞれ墓前祭などを営んだ。(坂田茂)

(2014年3月2日朝刊掲載)

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