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[広島サミット5・19~21] 平和公園 増す緊張感 フェンス設置始まる

 広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、外務省は24日、平和記念公園(中区)一帯を囲むフェンスの設置を始めた。市が各国首脳の訪問を想定し、サミット開幕前日の5月18日から最終日の21日まで、市民や観光客の立ち入りを制限するため。テロなどへの警戒強化へ、緊張感が徐々に増している。(川上裕)

 この日、外務省の委託業者が公園西側の本川沿いの緑地帯などに高さ約1・8メートルのフェンスを立て、金網部分に目隠し用の白いシートを取り付けた。作業を眺めていた広島県府中町の会社員男性(30)は「首相の演説中に爆発物が投げられる事件があったばかり。サミットの警護にも相当気を使うのだろう」と驚いていた。

 外務省や市によると、公園そばの本川、元安川沿いなどにフェンスを順次置き、5月上旬から公園内に警備員を24時間体制で配置するが、当面は自由に公園内へ入れる。5月18日正午の規制開始を前に、公園につながる本川橋や元安橋、相生橋南側にゲートを仮設。21日のサミット関連行事が終了するまで、原爆ドームを含む公園内や周辺の緑地帯に関係者以外の人は入れなくする。

 市は公園を封鎖中、近隣のマンション出入り口付近などに職員を置き、住民を誘導する。17日から地元説明を進めているという。

 外務省G7広島サミット事務局は「サミット終了後、フェンスを速やかに撤去する」と説明。市危機管理室は「各国首脳が公園を訪れる場合の交通規制などを地元住民に伝えている。不便をかけるが協力願いたい」と呼びかけている。

(2023年4月25日朝刊掲載)

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