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[広島サミット5・19~21] 「中国に不拡散訴えを」 オンラインで核増強 討論

 5月に広島市であるG7サミットで論点になるとみられる中国の核戦力増強をテーマにしたフォーラムが25日、オンライン形式であった。主催した笹川平和財団(東京)の小林祐喜研究員たちが、中国には台湾海峡への米国の軍事介入を阻む意図が働いているとの認識を説明。被爆国の日本政府に対し、核拡散がもたらすデメリットを冷静に説く役割を期待した。

 小林氏は中国の新疆ウイグル自治区のロプノール実験場に核実験の兆候があると指摘。安全保障に詳しい日本経済新聞社の秋田浩之コメンテーターは中国の動向に関し「台湾海峡への米国の軍事介入を防ぐ意図が強い」との見方を示した。

 日本の役割について小林氏は191カ国・地域が加盟する核拡散防止条約(NPT)を基軸とした外交を展開した上で「被爆国として核拡散のドミノは中国にも不利益だと冷静に呼びかける必要がある」と強調。広島サミットでは「岸田文雄首相が掲げる核兵器のない世界への道筋を議論し、具体策を共同声明に盛り込んでほしい」と訴えた。約130人が聴講した。(樋口浩二)

(2023年4月26日朝刊掲載)

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